住宅の屋根の太陽光発電は増えるのか



小泉環境大臣が発言し物議を醸した「住宅への太陽光発電システム設置の義務化を視野に入れるべき」について

国交省が6月3日開催した「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会(第4回)」において、取りまとめ案を公表しました。
内容は「脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大は不可欠だが、一律義務化は難しい」というもので、
将来の義務化の可能性を残しつつ、当面は義務化しないことで議論がまとまりました。

何故、そうなったのでしょうか。
その経緯が第11回再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースのLIVE配信や同議事録を見るとよくわかります。


【LIVE配信】第11回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース
https://www.youtube.com/watch?v=uDiLYh-VwDI

同議事録
https://drive.google.com/file/d/1uslF86IDltyMTow2ko7kpcaDnlBVpLdX/view?usp=sharing

資料はこちら
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/20210628/agenda.html

このタスクフォースには、国土交通省・経済産業省・環境省の三省が関わっています。
議事録を読むと、自分のところでは責任を取りたくないといった省庁体質が見えてきます。

再エネタスクフォースの4つの問題点
https://drive.google.com/file/d/1AeccXE6uSOp9Ws1MlVR7_U1kSUxhNZHR/view?usp=sharing

1「平均でZEH」問題:「省エネ20%のみ」では積み増し効果が期待できない
2「NDC46%積増ほぼゼロ」問題:NDC46%目標において、業務・家庭部門の積み増しはなぜ極端に少ないのか?
3「省庁の谷間」問題:建築への太陽光搭載は誰が普及の責任を負っているのか?
4「断熱の上位等級」問題:断熱の上位等級をどのレベルまで設定するのか?

※平均でZEHとは
経済産業省が「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」
政府目標の達成に向け、課題と対応策を整理した「ZEHロードマップ」を関係省庁等と共に策定(2015年12月)し、当該ロードマップに基づき普及に向け行った取り組み。

※NDC46%とは
菅総理が政府の地球温暖化対策推進本部において表明「2030年度の温室効果ガス削減目標(NDC)を2013年度比で46%削減」とした目標値

省エネ・高断熱に先進的な取り組みをおこなっているのが鳥取県です。
鳥取県では、「とっとり健康省エネ住宅『NE-ST』を設定し助成制度を行っています。

これからの健康的な家づくりの基準は「NE-STな家」
https://drive.google.com/file/d/10Cp2dcV0yuC5J2HT13L8vaJ759RRxLDy/view?usp=sharing

健康快適な室内環境と省エネの両立の為には高い断熱レベルが必要
ヒートショックを防ぐためには最低温度13度まで高められるヒート20、G2レベルの断熱が必要で、
G2レベルの断熱なら、現状の断熱等級4、間欠空調と同じエネルギー消費で連続空調による健康・快適な室内環境ができる。

等級4からG2への初期コストアップは約70万円、太陽光パネル設置で約100万円必要ですが、約10年でコストアップ分が回収できるようです。

断熱と太陽光は10年程度で回収可能
https://drive.google.com/file/d/1utGAK_nthAwlFbKnxU87dlgnUBEAs-_H/view?usp=sharing

以上のことから鳥取県ではG2を推奨レベルとし、住まいる上乗せ額として定額30万円、助成金として130万円用意しています。

2050年に向けて住宅の省エネ化は避けて通れません。太陽光設置も設置義務化に向かうのではないでしょうか

ZEHそのものが普及しているとは言えない昨今ですが、その上のG2提案で他社との差別化を考えてみてはいかがでしょうか。